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歯の着色について

毎日きちんと歯を磨いていても、歯の表面に黄ばみや茶色い着色が見られることは少なくありません。これは必ずしも磨き残しが原因ではなく、日常生活の中で自然に起こる現象です。着色の主な原因は、コーヒーや紅茶、ワイン、カレーなどに含まれる色素成分や、タバコのヤニなどが唾液中のたんぱく質と結びついて歯の表面に沈着してしまうためです。こうしてできた汚れは「ステイン」と呼ばれ、時間が経つほど落ちにくくなります。

このステインを自分で落とそうとして、強い力で歯を磨いてしまう方も多く見られますが、これは逆効果です。過度なブラッシングは歯の表面(エナメル質)を傷つけ、そこに新たな汚れが付着しやすくなるだけでなく、歯ぐきを痛めて下がってしまう原因にもなります。歯の白さを保つためには、「強く磨くこと」ではなく、「正しい方法でやさしく磨くこと」が大切です。

とはいえ、毎日の歯磨きだけでは、着色汚れを完全に除去することは難しいのが現実です。特に、歯と歯の間や奥歯の裏側などは歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れが残りやすい部分です。そうした場所に沈着したステインは、時間の経過とともに歯の内部にまで入り込み、通常のブラッシングでは落とせなくなります。

そこで効果的なのが、歯科医院で行う「プロフェッショナルクリーニング(PMTC)」です。歯科医院では専用の器具や研磨剤を使い、歯の表面に付着したステインや歯石、プラークを丁寧に除去します。クリーニング後は歯本来の自然な白さがよみがえるだけでなく、歯の表面がつるつるになり、新たな汚れがつきにくくなるというメリットもあります。

美しい白い歯を保つためには、日々の正しいブラッシングと、数か月に一度の定期的なクリーニングの両立が理想的です。毎日のケアで汚れの付着を防ぎ、歯科医院でのメンテナンスで落としきれない汚れをリセットする。この積み重ねが、歯の白さと健康を長く保つ秘訣です。